土塗り壁の耐震性
新潟県中越地震で被災した土蔵です 構造が傾き、土壁は崩れ、再起不能の様な気もしますが・・・・ 土塗り壁自体には耐震壁としての能力は意外に乏しいものです。(とは言え、ちゃんとした仕様だと壁倍率2.5まで行けます) どちらかというと、「耐震」と言うよりは、壁自体が崩壊することで振動のエネルギーを吸収していく「吸震」構造となります。 壁が崩壊することで地震のエネルギーを吸収していきます...
View Article土塗り壁の防火性能
土塗り壁は防火性能があります 平成12年に建築基準法の改正が行われ、外壁や屋根の耐火構造、防火構造が見直されました。 それまで、建築基準法第22条の指定された区域(法22条区域)の外壁に「土塗り壁」や「土蔵造」も使用可能でしたが、改正と共に細かい仕様が規定されています。 市街地でも土塗り壁の外壁が使用できます 防火構造(30分間の火災に耐える)...
View Article土塗り壁の断熱性、気密性
土塗り壁は断熱性能に劣ります 土塗り壁は暖かい・・・ そんなフレーズがあります。見た目の温かみはありますが、実際には違います。 土塗り壁の熱の伝えやすさ(熱伝導率)は 天然木材の5.75倍、グラスウールの13.8倍 壁の熱貫流率(U値)を計算すると、 土塗り壁40ミリ 2.72 (W/m2・K) グラスウール16K 100ミリ 0.43 (W/m2・K)...
View Article土塗り壁のリフォーム方法1 外観重視型
町家風の外観をそのままに改修 土塗り壁の改修方法として 〇防火性能を重視 〇外観の美しさを重視 の目的で行う内断熱工法です。 日本家屋の外観のフォルムの美しさをそのまま残したい場合・・ 土塗り壁の外側を活かした断熱改修工事例 内側に充填断熱工法による改修を行います 内側にグラスウール+石膏ボードを貼るので、「防火構造」となり、法22条地域での防火性能強化でも有効な工法となります。...
View Article土塗り壁のリフォーム方法2 内部環境重視型
土塗り壁の天然素材の特性を活かした方法です 土塗り壁の特性 〇天然素材を活かした室内環境の改善 〇土塗り壁の内的美観、質感をそのまま残したい という場合の工法です。 和風の部屋を、そのまま残したい・・ 内部環境重視型工法 外側に断熱工事を行い、更に外壁工事を行います 土塗り壁の外側に、石膏ボードでサンドイッチにした断熱工事を行います。 建物の外側に、更に防火構造の外壁でくるむイメージです。...
View Article土塗り壁のリフォーム
昔ながらの土塗り壁仕様の住宅リフォームを考えます 土塗り壁の基礎知識 土塗り壁とは?? 土塗り壁については、こちらへ・・・ 土塗り壁のリフォーム方法 土塗り壁を活かした断熱改修工事には大まかに2通りの方法があります。 外観重視型断熱工事 内部環境重視型断熱工事 実際のリフォーム現場 現在進めている改装現場の壁仕様は昔ながらの「土塗り壁」です。...
View Articleヨシとカヤ 古民家の材料のルーツを探る
ヨシについて探りました 古民家再生と土塗り壁のリフォームをしていますが、土壁の下地である「コマイ」の材料「ヨシ」について県内を調査しました。 土塗り壁を解体すると、縦横に無数に編んだコマイが姿を現わします 竹のようにも見えますが、左官屋さんは「ヨシ」と呼んでいるようです 切り口はこんな感じ・・ 「ヨシ」はネットで調べると、一般に「アシ」と言われているそうです。「葦」は水辺に生える一年草です。...
View Article平成25年省エネルギー基準の地域区分 外皮平均熱貫流率UAの基準値
平成11年省エネ基準ではⅠ~Ⅵ地域に分かれていた地域区分が 平成25年省エネ基準では1~8地域になりました 平成25年省エネ基準の地域区分 細かい地域は市町村単位で決められています。 外皮平均熱貫流率UAの最大値が各地域区分によって定められています。 各地域区分の最大UA値(W/m2・K) 地域区分12345678UAの最大値0.450.460.560.750.870.870.87-...
View Article室温を一定に保つには・・ 省エネの方法
室温を一定に保つには、 放熱量と同等の加熱(冷却)をします 外皮を伝わって逃げる熱量を計算し、その熱量と同じ分だけ加熱(暖房)若しくは冷却(冷房)をすればよい事になります。 省エネの方法は・・ 建物の外皮に関わる省エネルギーの手法としては・・ 1.室内と外気温の温度差をなるべく少なくする 暖房の温度設定を下げる(冬場は18℃) 冷房の温度設定を上げる(夏場は28℃) 2.断熱性能を上げる...
View ArticleU値を補正する 一次エネルギー消費量の計算(2)
実際の建物では各部位で熱の逃げ方が違います 前回は犬小屋を例にU値を求めました。 実際の建物の熱の逃げ方は屋根と壁、床で違ってきます。室内では空気の対流が起こり、天井に近い方から熱が逃げやすいし、床面からの損失は少ない・・壁も風が当たる場所だと熱が逃げるし、外壁で覆ってワンクッションあれば熱は逃げにくい・・ 建物の「部位」によって熱の逃げ方が違います。 建物の部位によって熱の逃げ方が違います...
View Articleリモデル便器を使わない理由
普通の便器とリモデル便器の説明です 昨日はトイレの便器入れ替え工事を行いました。 単に「便器」の入れ替えなのですが、殆どの職種を入れています。大工はもちろん、設備屋さん、表具屋さん、電気屋さん・・入っていないのは左官屋さんと塗装屋さんくらいです。それぞれの職種の入るタイミングを見計らってスムーズに工事を行うのが、腕の見せ所でもあります。 午前9:00...
View Article藤川建設 HP移行のお知らせOCNサービスの終了に伴う引っ越し
OCNのサービス終了に伴いサーバーを移動しました 長らく 使用していた www2.ocn.ne.jp/~benriya のアドレスも、OCNのホームページサービスが2月までとなり、サーバーの移行作業を行いました。 新たにドメインも取得しましたので、こちらのアドレスで継続となります。 fujikawa-kensetu.com メールアドレスも info@fujikawa-kensetu.com...
View Article重要文化財 関川村 渡邉邸大改修完成記念公演
古民家改修の終了した渡邉邸にて記念公演が行われます 新潟に点在する「田の字型古民家」の代表とも言える関川村の「渡邉邸」の大修復が終了し、そのお披露目も兼ねてコンサートが開かれます。 田の字型古民家の特徴について・・ 田の字型古民家の間取り 小屋組みが美しい 渡邉邸の特徴は、正面玄関から入って直ぐに土間が広がり、それに隣接して大きな畳の部屋が連なった大空間。部屋から見上げる小屋組みが見事な構造です。...
View Articleいえコレ! メンバー紹介
いえコレ!のメンバーを紹介します。 〇 大工 (だいく) 木材を加工したり、家の構造を建てたり、屋根や壁、床といった各部の下地を作るオールマイティーの能力を持った職種です。 昔はノコギリとカナヅチ、カンナ、ノミが必需品でしたが、最近は近代化が進み、釘打ち機とマルノコさえあれば仕事が出来ると言われます。 〇 電気屋さん 家の電気配線と照明器具、電気設備器具を取り付けたります...
View Article田の字型古民家
郊外に点在する田の字型古民家です 農村の暮らしの基盤となっていた田の字型古民家は、その地域材を巧みに組み合わせながら幾度の地震や大雪にも耐えてきた地元の大工の技術の結晶です。 田んぼや里山に囲まれた茅葺屋根の古民家 高柳 茅葺屋根の葺き替え風景 田の字型古民家のイメージ...
View Article町屋型古民家
町家型古民家の説明です 町場の限られた狭いスペースに建てられた「町家型古民家」・・間口は3間~4間ですが、奥行きは10数間~20間もあるいわゆる「ウナギの寝床」の形状です。これは昔、年貢を納める基準が、「通り沿いに面した間口」によって定められていたためで、間口を極力狭くして奥行を最大限取ろうとした名残です。 通り沿いの間口が狭い「町家型古民家」 内部は延々と土間が続く長い構造です...
View Articleゾウさんノズル
高齢者・身障者の洗い物をサポートする水栓金具です 「座って使えるキッチン」を計画した時、座りながら手の届く範囲が限られてくるため、通常の位置に取り付く水栓金具は使い勝手が悪いという問題に突き当たりました。 座ったままの姿勢だと手の届く範囲が決まってしまいます...
View Article新潟県長岡市で注文住宅を手掛けている(株)藤川建設です。
納得のいくまで何回でも設計&しっかり施工による確かな家づくり 株式会社 藤川建設 の家づくりをまとめてみました 膨大な情報発信をしていて、気が付けば自分の会社の宣伝は後回しでした。おそらくはお客さんも、この家づくりのスタンスに賛同されてこられたのでしょう。 (株)藤川建設の家づくりは・・・ 1.納得いくまで設計をしています。 設計がまとまらない限りは見積りへ進みません。...
View Article越後杉で家づくりをしている (株)藤川建設です
越後杉をふんだんに使った確かな家づくり 株式会社 藤川建設の家づくりをまとめてみました 膨大な情報発信をしていて、気が付けば越後杉を使っている自社の家の宣伝は後回しでした。おそらくはお客さんも、この家づくりのスタンスに賛同されてこられたのでしょう。 (株)藤川建設の家づくりは・・・ 1.納得いくまで設計をしています。 設計がまとまらない限りは見積りへ進みません。...
View Articleこれだけはおさえておきたい!雪国の家の設計(1) 雪下ろしを考えた配置計画
雪国(長岡市)の場合の配置計画です 雪国における建物の形状、配置計画で一番重要な要素は、「雪下ろし」を考えた屋根の形状、建物の配置計画です。これをおろそかにして設計をして、施工をしてしまうと、屋根雪処理に労力を費やし、維持費がかさむ欠点を背負います。 市街地に良くある住宅 市街地で良く見かける住宅の形状と配置です。大通り沿いに雁木があり、屋根が切り妻の昔ながらの形状です。...
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